連帯の30年

民間団体による定住支援

 インドシナ難民の大量流出が生じ、難民キャンプなどにおける難民の悲惨な状況が伝えられるにつけ、わが国でも幾つかの民間団体が、アジア諸国の難民キャンプに収容されているインドシナ難民に対して直接、救援を行うようになった。また、日本に定住しているインドシナ難民に対する民間団体の支援活動も、1981年(昭56)頃から活発に行われるようになった。

 民間団体による支援活動の内容は、日本語指導、奨学金や各種助成金の支給、カウンセラーによる定住相談、里親の斡旋、難民孤児の養育、生活情報紙の発行など、幅広い活動がボランティアとして進められた。

 わが国に定住する難民にとって、文化の異なる日本での生活は決して容易なことではなかった。言葉の障害、習慣の違い、そして、教育の問題、就職、結婚、日常のトラブルなど、彼等にとっては大変な重圧になっていたに違いない。これらの負担を軽減し、自立を助けるために手を差し延べた民間団体の功績は極めて大きい。