連帯の30年

インドシナ難民連帯委員会の発足
インドシナ難民連帯委員会の発足

 インドシナ難民共済委員会の第2回総会は、1983年(昭58)1月14日にゼンセン会館で開かれた。総会は、新組織の名称を「インドシナ難民連帯委員会(CSIR)」と決めたほか、規約の改正を行った。

  活動方針としては、(1)タイのバンビナイ難民キャンプへの支援、(2)在日定住難民(ベトナム、ラオス、カンボジア人の本連帯委員会会員)のための医療基金制度の発足、(3)日本語学校入学奨学金・入学祝い金制度の発足、(4)定住難民のためのガイドブック作成、(5)定住難民のための相談業務、(6)組織の拡大(個人会員、協賛会員)--を採択した。

  役員としては、会長に武藤光朗(早稲田大学客員教授)、副会長に殿岡昭郎(東京学芸大学助教授)、事務局長に矢田彰(同盟書記長付国民運動担当)および常任理事、監事を選出した。

 新役員を代表してあいさつに立った武藤会長は、インドシナ難民共済委員会やインドシナ難民救援センターのこれまでの活動に謝意を表明した後、「共産化した祖国の全体主義支配の非人間的抑圧を嫌い、自由と人権の保障を求めて命がけで日本に脱出してきたインドシナ難民の人たちが、それぞれ独立自尊の自由な人間として助け合い、その連帯の輪を日本人が包んで助けていく。

  そして、その交流の中で、自由と人権の尊さについて、インドシナ難民の貴重な歴史的体験から、日本人も教訓を汲み取っていくことが重要だと考えている。これまでの我々の運動に対し、同盟からは全面的な財政援助をいただいた。そのご芳志に心から感謝し、そのご期待に沿うよう一層の努力を行いたい」と、決意を表明した。

 顧問には宇佐美忠信(同盟会長)、春日一幸(民社党常任顧問)、相馬雪香(インドシナ難民を助ける会)の各氏に委嘱した。同連帯委員会の加盟団体には、同盟および同盟構成組織、市民団体として日本民主婦人の会や日本人妻自由往来実現の会が加わった。また、インドシナ難民連帯委員会の活動は、加盟団体からの会費、同盟の「愛のミルクカンパ」および全国から寄せられた浄財によって支えられた。