会長メッセージ

2003年 - 貧困解消の原点は、子供の基礎教育
アジア連帯委員会(CSA) 伊藤 祐禎

2003年12月吉日


 ILOの労働側理事を10年以上続けて、最も感じることは、発展途上国の国民の識字率の低さである。もちろん識字率の高い国もある。国の経済の発展と貧困解消は、正比例である。経済の発展のないところには、貧困が蔓延している。貧困の原因は、数えきれない。しかし最も大きな原因の一つは、国民の大半に基礎教育がないことである。アフリカで、ILOとRENGO/JILAFと共催で、6回のアフリカ労働組合幹部に対する生産性向上に関するワークショップを開催した。その中で、「政治、経済、社会の民主化がなければアフリカの未来はない」しかしその民主化を達成するには、国民の基礎教育の向上が必要だということを理解してもらっている。私もアフリカの仲間に、国の富を増やす努力とその獲得した富の社会的公正な分配システムの確立と共に、急げば廻れで、得た富の大半を子供の基礎教育にまわすことが大切であることを訴えている。最貧国などの国民の教育レベルを高めることが急務である。CSAの現在の主たる事業は、ラオスにおける学校建設である。その意味では、非常に意義ある活動をしているといえる。

アジア連帯委員会(CSA) 伊藤 祐禎
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会長に就任して
アジア連帯委員会(CSA) 伊藤 祐禎

2003年10月吉日


 大先達である武藤光朗元会長及び金杉前会長の後をついで、3代目の新会長に就任した伊藤祐禎です。両先輩会長の足跡をより輝くように努力をしたいと思います。1981年にインドシナ半島動乱によって生じた難民救済を目的として「インドシナ難民共済委員会」が結成されて、すでに22年の歳月を重ねています。その間ベルリンの壁崩壊に象徴される東西冷戦構造崩壊及びアジア地域の経済の発展は、インドシナ半島情勢に大きな変化を引き起こしました。その結果、「インドシナ難民共済委員会」もその役割を新しいインドシナ半島の情勢に適用するべく、仕事の中身と委員会の名称を変更してきました。その新しい名称が「アジア連帯委員会」であります。私は、その伝統と歴史ある委員会の会長に選任されたことの重みと責任を感じています。

 東西冷戦構造の崩壊及びアジア地域の経済の発展は、インドシナ情勢に大きな変化をもたらしました。しかし一方で、新たな緊張も生じています。2001年9月11日のニューヨークの世界貿易ビルに旅客機が突っ込むというテロの発生です。このテロを契機にアフガン、イラクにおいて、戦争が発生しています。世界が、安定から不安定の時代へと移行するような気配もあります。又アフリカにおいて、多くの動乱が発生し、多くの難民が生まれています。  最近発表された世界人口統計の中で、25歳以下の若者が、14秒に一人の割合で、エイズに感染し、その影響で世界の2050年の人口が、人口統計では、前回の予測人口より数億人減少すると予測されています。世界には多くの難題が存在します。私たちCSAなどのNGOのやるべき仕事は、山積しています。

 今後のCSAは、連合及び会員の皆様と十分に将来の活動のあり方及び組織のあり方を論議し、CSA設立の意義を今後の活動につなげて生きたいと思います。今回新任された石崎昭雄事務局長及び会員の皆様の協力を得て,微力ではありますが,世界が少しでも明るくなるように努力します。皆様のご協力を心からお願いします。

アジア連帯委員会(CSA) 伊藤 祐禎
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