会長メッセージ

2022年 - 第42回定期総会 会長挨拶
アジア連帯委員会(CSA)会長 澤田 和男

2022年9月28日


大変お忙しい中、第42回定期総会にご参集いただいたことに感謝申し上げます。本日は来賓として連合から清水事務局長にご臨席いただいております。清水事務局長におかれましては、大変お忙しい中、誠に有難うございます。後ほどご挨拶を宜しくお願いします。CSAの活動は、連合、会員団体および個人会員の皆様からの物心両面の支えによって継続されています。そして本年4月16日で結成41年を迎えました。改めて、今日までの長きにわたる皆様方のご支援ご協力に心から感謝申しあげますとともに、引き続き宜しくお願い申しあげます。

<この1年間のCSAを取り巻く情勢>
2022年2月24日に始まったロシア軍のウクライナ侵略は、いまだに解決せず悲惨な状況が続いています。関連して世界的な食糧不足やエネルギー価格の高騰などを引き起こしています。早期の停戦とロシア軍の撤退を強く望むものです。
新型コロナウイルスについては、従来より感染力の強いオミクロン株によって第7波の感染ピークを迎え、医療機関への負担が高い状況が続いていましたが、現在、少し落ち着きを見せ始めています。今後については、オミクロン株用のワクチンが認可され接種が始まりましたが、加えて治療薬の開発・認可が急務となっています。
一方で、円安傾向は日銀の介入があったもののまだまだ改善されておらず、輸入品価格の高騰が顕著となっています。その上、海上輸送費は依然として高騰状態を続けています。
このような中、CSAは、昨年9月開催の第41回総会で決定した方針に基づき活動を進め、3月の第22回評議員会でその後の活動の進め方を確認しましたが、取り巻く情勢は大変厳しさを増し、とりわけ救援衣類を送る運動については苦慮を重ね、会員団体や関係先と調整を重ね、2回の臨時常任理事会を開催するなどして対応を協議してきました。

<CSAの主要活動>
このような経過に立ち、CSAとして重点的に取り組んでいる「救援衣類を送る運動」「ラオス初等教育の改善」「ラオス高等教育の改善」のこの1年間の活動状況と今後の取り組みの考え方について触れます。

1.救援衣類を送る運動
第37次救援衣類を送る運動については、2020年秋、2021年秋の集約は延期することとし2022年秋に集約する方向で検討を進めてきました。
しかし、取り巻く情勢の悪化に伴いこの運動の進め方に苦慮しました。4月18日に開催した第46回臨時常任理事会では、会員団体にお願いしたアンケート結果を踏まえ、取り扱い方法を一部変更して実施することを確認し、その方向で具体的な検討を進めてきましたが、その後、取り巻く情勢は更に悪化してきました。この間、集荷・輸送にかかわる国内の関係先と調整するとともに、事務局長がラオスに直接赴き、関係する政府機関とも調整を行ってきました。結果として、7月21日に開催した第47回臨時常任理事会で、大変残念ですが当面救援衣類を送る運動は難しいと判断して、これに代わる支援を検討していくこととし、8月24日の第24回評議員会で確認しました。この結果については、すでに会員の皆様方にご連絡したところですし、本日の総会議案ではこのことを踏まえた活動計画としています。

2.ラオス初等教育の改善(小学校建設・補修活動)
義務教育を受けられない状況を少しでも改善するために、1995年以降、小・中学校24校を建設し寄贈してきました。また、古くなった校舎を父兄の労務提供も求めながら計画的に補修してきました。
小学校建設については、ナラオ村小学校新校舎(25番目校)の建設に向けて検討を進め、シンフォニアテクノロジー労働組合の協賛も得て、CSAとの共同建設の形で現地と契約し工事が進行しています。シンフォニアテクノロジー労働組合のご支援には心から感謝申し上げます。一方で、契約がドル建てのため円安で大変厳しい面もありますが、何とか来年の竣工・引き渡しに繋げたいと考えています。
既存校の補修については、パチャオ村小学校(23番目校)とシーセンマイ中学校の補修を行いました。そして、パホム村小学校(15番目校)の補修を検討しており、協賛いただける会員団体を募ることとしています。

3.ラオス高等教育の改善(サンティパープ高校生寮支援)
貧困などの事情によって進学が困難な生徒のために、寮を建設し生活と学業を支援することにより高等教育への道を拓くため、2002年の寮建設・寄贈から今日まで寮への支援を継続しています。現在の寮生は90名、これまでの卒業生は540名に達し、総じて優秀な成績で日本への留学も果たすなど国を支えるリーダーとして成長しています。
本年6月には、卒寮式に出席し、卒業記念品や全国試験優秀者へ優秀賞の贈呈を行うとともに生徒および先生方と懇談を行いました。今後もこの支援を続けるとともに、新たな教育支援についても検討していきます。

今申し上げた3つの主要活動のいずれも現状を踏まえた見直し検討が求められています。実行するには会員の皆様の募金が大きな支えです。今後はこれまでの募金名称の一部を変更し「救援物資募金」「小学校建設・補修募金」「教育支援募金」の括りの中で進めていきたいと考えています。

本日の総会では、この1年間の活動を報告するとともに2022年度の事業計画・予算・役員体制などについて決定していただくことになります。限られた時間ですが、皆さんからの忌憚のないご意見により方針を補強して頂き、皆さんと一体となった活動を進められることを心から願い、挨拶とさせていただきます。

アジア連帯委員会(CSA)会長 澤田 和男