会長メッセージ

2023年 - 第43回定期総会 会長挨拶
アジア連帯委員会(CSA)会長 澤田 和男

2023年9月27日


大変お忙しい中、CSA第43回定期総会にご参集いただき感謝申し上げます。
本日は来賓として連合から清水事務局長、国際労働財団(JILAF)から小川副事務長にご臨席いただいております。ご両名におかれましては、大変お忙しい中、誠に有難うございます。後ほどご挨拶を宜しくお願いします。また、本日の総会にはこれまでのCSAの活動を推進していただいた大木前顧問、吉井前顧問、渡邊元副会長をご招待しており、後列で傍聴されていますのでご紹介をさせていただきます。
CSAの活動は、連合、会員団体および個人会員の皆様からの物心両面の支えによって継続されています。おかげさまで現在結成42年目の活動に入っています。改めて、今日までの長きにわたる皆様方のご支援ご協力に心から感謝申しあげますとともに、引き続き宜しくお願い申しあげます。

<この1年間のCSAを取り巻く情勢>
現在のCSAを取り巻く情勢について簡単に触れます。
昨年の2月24日に始まったロシア軍によるウクライナ侵略は依然として続いており、激しい戦闘が続いています。この影響で世界的な食糧不足やエネルギー価格の高騰などを引き起こしています。まずはウクライナ国民の悲惨な状況に終止符を打つべく早期の停戦とロシア軍の撤退を強く望むものです。また、地球温暖化の影響といわれる大規模な山火事が世界各国で発生して大きな被害を出しましたが、9月に入ってモロッコの地震、リビアでの大洪水なども発生し、国際ボランティアの支援活動が続いています。
一方、国内においても6月以降、集中豪雨による災害が頻発し多くのボランティアが現地に入り復旧活動を進めています。また新型コロナウイルスに関しては、本年5月8日から5類感染症に分類され日常生活も戻りつつありますが、現在感染者数も増加傾向にあり、感染防止の自助努力が求められています。
このような中、CSAは、昨年9月開催の第42回総会で決定した方針に基づき活動を進め、3月開催の第25回評議員会、8月開催の第26回評議員会で、その後の活動の進め方を確認し活動を進めてきました。

<CSAの主要活動>
このような経過に立ち、現在CSAとして重点的に取り組んでいる「救援物資事業」「小学校建設・補修事業」「教育支援事業」のこの1年間の活動状況と今後の取り組みの考え方について触れます。

1.救援物資事業
これまで36年わたり取り組んできた「救援衣類を送る運動」は、昨年8月の第24回評議員会および昨年9月の第42回定期総会の確認に基づき当面の間中止し、代替えの支援を行うこととしています。具体的には、現地のコーディネーターと連携し、ラオス保健省を通じて必要なものを支援する活動を進めています。今年度も同様に進めますが国際労働財団(JILAF)やその他の国際NGO団体とも連携して取り組みを進めることとしています。

2.小学校建設・補修事業
義務教育を受けられない状況を少しでも改善するために、1995年以降、小学校を中心に建設し寄贈するとともに古くなった校舎を保護者の協力も求めながら計画的に補修してきました。
シンフォニアテクノロジー労組の協賛を得てCSAと合同で建設を進めていた第25番目校のナラオ村小学校新校舎は完成し、5月23日に現地で引き渡し式を行いました。式には、シンフォニアテクノロジー労組森岡中央執行委員長も同席されご挨拶をいただきました。ご支援に対し改めて心から感謝申し上げます。
また、本年4月21日に会員団体であるUAゼンセンとCSAとの間で、第26番目校の建設・寄贈についての覚書に調印しました。その後、担当者と現地に赴むきラオス政府をはじめ関係先との調整や建設予定地の確認を経て、今年度の着工に向けた作業を進めています。ご支援について心から感謝申し上げます。
既存校の補修については、パホム村小学校(15番目校)の補修を目的としてクラウドファンディングを目標額100万円で6月から7月にかけて実施し、結果として115の個人・団体から180万円を超える貴重な資金を調達することができましたので、早急に修理工事に着手していきます。このクラウドファンディングでは、CSAとして初めての取り組みにもかかわらず、多くの会員団体・個人の皆さん、そして多くの一般の方々からの心のこもった寄付をいただきました。ご協力に心から感謝申し上げます。

3.教育支援事業
貧困などの事情によって進学が困難な生徒のために、寮を建設し生活と学業を支援することにより高等教育への道を拓くため、2002年にサンティパープ高校にCSAが寮を建設・寄贈し、今日まで支援を継続しています。
卒業した寮生は、総じて優秀な成績で日本への留学も果たすなど国を支えるリーダーとして成長しています。今後もこの支援を続けるとともに、新たな教育支援についても検討していきます。

今申し上げた3つの主要事業については、現地の状況を踏まえて取り組んでいきます。CSAがこれらの事業を展開するには、会員の皆様の募金が頼りです。今後とも「救援物資募金」「小学校建設・補修募金」「教育支援募金」へのご協力をよろしくお願いします。

本日の総会では、この1年間の活動を報告するとともに2023年度の事業計画・予算・役員の一部改選などについて決定していただくことになります。限られた時間ですが、会員の皆さまからのご意見等により方針を補強して頂き、一体となった活動を進められることを心から願い、挨拶とさせていただきます。

アジア連帯委員会(CSA)会長 澤田 和男