会長メッセージ

2010年 - 第30回定期総会を終えて
アジア連帯委員会(CSA)会長 大木 明石

2010年10月6日


 アジア連帯委会第30回定期総会は、去る9月29日午後2時より、総評会館会議 室において、多くの会員の皆さんのご出席をいただき、盛大に開催されました。

 この総会には、ご来賓として連合本部より水谷総合組織局長並びに在日ラオス大使館 よりビィラサック参事官、カムラー書記官のご出席をいただき、連帯と激励のごあいさつをいただきました。

 お陰さまで総会は、会員の皆さんの建設的な討議により、2009年度事業報告、同決算報告の承認を得るとともに、2010年度事業計画、同予算、規約改正、役員選出などを決定し終了することができました。ありがとうございました。

 最初にアジア連帯委員会は来年4月18日に結成30周年を迎えます。私は、これまでの30年間、 組織の拡大と運動の発展のためにご努力、ご尽力いただいた歴代役員、各構成組織、各支援者を始め多くの関係者の皆さんに対し、心から感謝とお礼を申し上げます。

 私は、第30回定期総会を終え新しい年度のスタートにあたり、この一年間の活動を振り返り、その成果と当面する諸問題についてふれてみたいと思います。

 最初に、本年度の3大運動は、総体としては幾つかの課題を残しつつも、一定の成果を上げることができたと評価しています。

 その成果の一つは、26次救援衣類を送る運動についてであります。今回は昨年(25次)より9トン多い207トン(40フィートコンテナ17本、ラオス5本、タイ12本+20ft.コンテナ1本)を集約するという成果をあげることができました。また、新年度からは運動の輪をカンボジアへも拡大する体制が確立されつつあります。この運動は、年々各構成組織、各単組、各支援者の皆さんへ着実に浸透しています。関係者の皆さんのご支援、ご協力に心から感謝申し上げます。

 その二つは、ラオスの小・中学校の建設運動についてであります。作年度までラオス政府の関係窓口が労働省と教育省の二重関係にありました。これを解消し教育省一本に整理することができました。これからは建設に関する諸作業がより円滑に進むものと思います。

 その三つは、サンティパープ高校寮生支援についてであります。この支援活動は、将来のラオスを担う人材と日本との架け橋となる人材を育成するために活動です。今年で8年目を迎え卒寮生もすでに100名をこえました。なかでも現在6名(今年2名予定)の卒寮生が日本へ国費留学をしており、勉学に励んでおります。ようやく目的達成のための芽が育ちつつあり成果が出てまいりました。時間のかかる運動ですが頑張り抜きたいと思います。

 つぎに、当面する諸問題についてふれてみたいとおもいます。 その一つは、アジア連帯委員会の財政についてであります。私たちの財政は、各構成組織よりの会費と「連合愛のカンパ」からの支援金からなっております。そのうち、連合愛のカンパからの支援金が大きな比重を占めております。その支援金額がここのところ年々減少してきており、このままいきますと私たちの運動に大きな障害が出かねません。それだけに連合とは、時間をかけながら慎重に話し合いを続け、より良き方向性を見いだしていかなければならないと思っております。

 その二つは、組織の拡大強化についてであります。今日、アジア連帯委員会は、53構成組織と個人支援者をもって運動を展開しております。運動の輪をさらに拡大するためには組織の拡大強化が急務であります。当面、労働組合と私たちと同じ考え方を持つ諸団体の加盟促進を図るとともに、新しく確立する個人会員制度を積極的に活用して組織の拡大を図っていきたいと思います。

その三つは、財政の確立と募金活動強化についてであります。財政の確立については、当面、アジア連帯委員会の運営資金を確立し、自立できる体制を如何に作るかにあります。そのために、常任理事会などで十分な検討を行いたいと思います。

 募金活動については、現在、①救援衣類の輸送費、②学校建設後のケア費用、③学生寮の付属費用など極めて不十分であります。私たちは、これまで一年間を通して募金活動を行ってきましたが、もう少しめりはりの効いた運動の展開を図るための検討をしたいと思います。

 終わりに、私こと、今回の役員選挙で会長に再選されました。微力ではありますがアジア連帯委員会の発展のため頑張って生きたいと思います。すべての関係者の皆さんの積極的なご支援、ご協力をお願いします。

アジア連帯委員会(CSA)会長 大木 明石
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第19番学校引き渡し式を終えて
アジア連帯委員会(CSA)会長 大木 明石

2010年7月1日


 梅雨の候、皆さんにはお変わりなくご活躍のことと存じます。

 さて、CSA運動は、年度後半の運動に入り、21番目校完成とその引き渡し式、第27次救援衣類を送る運動へと展開されていきます。

 私は、年度後半への運動を推進するに当たり、改めて会員の皆さんをはじめ多くの支援者の皆さんに対し、活動状況を報告しながら、つぎのご支援を心からお願いしたいと存じます。
 はじめに学校建設募金へのご協力でございます。
 学校建設では、21番目校のサィニャブリー県パクライ地区ムアンワー村小学校の建設が順調に進み完成したことから、この7月25日(日)私と長石事務局長が出席し、引き渡し式を行うことになりました。また、2011年度の建設予定地は、サィニャブリー県パクライ地区ナマイ村と決まり、雨期を避けて建設工事は進められていく予定です。

 ラオス教育省によると小学校は、農村地帯を中心に約2,000校が不足していると云っています。一つの小学校は、日本円で約600万円前後で建設することができます。私たちは、通年で募金活動を展開しております。どうぞ主旨をご理解のうえご協力をお願いします。

 つぎに救援衣類輸送募金についてであります。
 昨年の「第26次救援衣類を送る運動」は、各会員、各支援者の皆さんの積極的なご協力により、過去最高の207トンという集荷量を得ることができました。ラオスでは、昨年南部地帯に洪水による被害がおこり、CSAの救援衣類は被害者へいち早く届けられ、各関係省庁の副大臣から大変感謝されました。今年も10月4日より8日までの期間で実施します。ご支援ご協力をよろしくお願いします。

 それにしましても、年々増加する救援衣類の集荷量は有り難いことですが、心配になるのは輸送料の増額です。ご無理なお願いごとではありますが救援衣類と輸送料の込でのご支援にご協力を重ねてお願いします。

 おわりに、ラオス・サンティパープ高校CSA寮運営募金についてであります。
 この高校寮は、CSAが全額負担で運営しているもので、すでに7年を経過しようとしており、卒寮生も100人以上になります。
 そのうち、厳しい試験を通り日本へ留学を果たしたのは、ヌュンソンさん(第1期生・富山商船高等専門学校)、イエン・ハーさん(第2期生・佐世保工業高等専門学校)、ビエンサイさん(第3期生・沼津工業高等専門学校)、カムチャンさん(第3期生・津山工業高等専門学校)、そしてアーサさん(第3期生・東京日本語教育センター)、ビサイさん(第4期生・東京日本語教育センター)、の6名となりました。

 寮生は、みんな貧しいへき地の子どもたちですが優秀な生徒たちばかりです。この生徒たちが安心して勉強できるよう、CSA寮の充実強化が一層求められております。

 どうぞ会員、支援者の皆さんの暖かいご支援をお願いします。

アジア連帯委員会(CSA)会長 大木 明石
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成果をあげたラオス・タイ訪問団
アジア連帯委員会(CSA)会長 大木 明石

2010年1月18日


 アジア連帯委員会(CSA)は、去る1月9日より19日までの日程により、参加者9名をもって「2010ワーキング・スタディ・ツアー」を実施しました。

 このツアーは、ラオス、タイ両国の多くの国民と交流するなかで、文化や生活に触れ、お互いに理解を深め今後の支援につなげていくことと、CSAがすすめている①救援衣類を送る運動、②ラオスの学校建設、③遠隔地の高校生支援の運動が完全に消化されているのかどうかその実態を把握することを目的に、毎年実施しているものであります。

 今回の主な訪問先は、①ラオスの教育省など関係省庁の表敬訪問、②20番目校となるパーウドム小学校の引き渡し式、③建設10番目のサイウドム小学校への訪問、④サンティパープ高校寮訪問、⑤タイ・チェンマイでの救援衣類の実態視察、⑥タイ福祉省訪問と救援衣類倉庫視察などでありました。

 そして訪問団からは、大要つぎのような感想や指摘などが寄せられております。それによれば、①ラオス、タイ両国政府から「救援衣類ならびに小学校建設」の支援に対し心から感謝の言葉をいただき感銘を受けたこと、②パーウドム小学校の引き渡し式で、多くの村民、子ども、先生などと交流しお互いに学校建設を喜び合えたこと、③建設寄贈した小学校の修理補修などのアフターケアが、今後のCSAの大事な仕事になること、④サンティパープ高校生寮から多くの優秀な海外留学生が育っており遠隔地高校生支援事業の一層の強化が必要なこと、⑤タイの貧富の格差はひどく特に北部山岳少数民族の生活は困窮しており救援衣類の支援は今後も必要であること、⑥連合「愛のカンパ」からCSAへの助成金は本当に有効に活用されていること、⑦CSA運動をさらに前進させるために各構成組織から多くの参加者が集うツアーにするための努力をすることなどがあげられております。なお、訪問団の報告書は別途作成し加盟組織には配布する予定であります。

 このように「2010ワーキング・スタディ・ツアー」は、数多くの成果をあげて終わることが出来ましたが、一方で多くの課題も出てまいりました。

 私たちアジア連帯委員会(CSA)は、これからも連合をはじめ各構成組織、多くの支援者の皆さんのご協力をいただきながら、当面、貧困に苦しんでいるラオス、タイ両国国民に対し、積極的に支援活動を展開していかなければなりません。これからもCSA運動に対し積極的なご支援ご協力をいただきますよう重ねてお願い申し上げます。

アジア連帯委員会(CSA)会長 大木 明石
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年頭のごあいさつ
アジア連帯委員会(CSA)会長 大木 明石

2010年元旦


 新年あけましておめでとうございます。

 連合をはじめ各構成組織、各単組並びに各会員、支援者の皆さんにおかれましては、清々しい新年をお迎えになられたことと心からお慶び申し上げます。昨年は、アジア連帯委員会(CSA)の諸活動に対し、積極的なご支援ご協力をいただきまして誠にありがとうございました。本年も変わりないご指導ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

 さて、私たちを取り巻く環境は、本年も昨年同様厳しい年になることが予想されます。わが国では、昨年の総選挙により政権交代が実現し、多くの国民の期待のもと民主党を中心とした鳩山連立政権が誕生しました。このことは、まさに平成の民主主義革命といっても過言ではありません。

 また、鳩山政権は、景気の二番底が心配されるなかで、次々と景気対策を打ち出していますが、十分なものではなくさらに政策を総動員した対策が期待されています。

 一方、私たちアジア連帯委員会(CSA)と直接的な関係をもつタイ、ラオス両国では厳しい政治・経済情勢が続いております。
 タイの経済は、世界同時不況の影響で観光客は激減し、大きな打撃を受け政府はその対策に懸命な努力を重ねております。また、政情は政府支持勢力と反政府勢力との対立が続き、いつ表面化しても不思議ではない不安な情勢にあります。

 一方、ラオスでは、昨年12月に東南アジア競技大会が国民総動員のもと大きな成果をあげて終了しました。その結果、首都ビエンチャンはインフラがそれなりに整備され国民生活安定に寄与し、政府はますます計画経済の前進に自信をもったものと思われます。ただ競技大会開始前後から物価が上昇しインフレの進行が懸念されています。

 このような諸情勢のなかにあって私たちアジア連帯委員会(CSA)の運動は、連合をはじめ各構成組織、各単組並びに各会員、各支援者の皆さんの積極的なご支援ご協力によって、昨年9月末の定期総会以降も順調に前進しております。

 即ち、第26次救援衣類を送る運動(2009年10月5から9日まで)は、かってない成果を収めた第25次救援衣類を送る運動・集約量(約198トン)をさらに上廻って約207トンを集約することができました。この衣類は、すでに昨年自然災害を受けた多くの人々に配布されつつあり、タイ、ラオス両政府からは感謝の言葉をいただいております。この運動に対し積極的なご協力をいただいた各構成組織をはじめ各関係者の皆さんに心からお礼申し上げます。

 また、ラオスに小・中学校を建設する運動においては、20番目校が完成し1月13日に2010年度のワーキング・スタディ・ツアーチーム(1月9日出発)が代表して「引き渡し式」に参加する予定にしています。さらに21番目校は、首都ビエンチャンより約217㎞離れたサィニャブリー県パクライ地区ムアンヴァ村に建設することを決定いたしました。

 私たちは、新年においても連合をはじめ各構成組織、各単組並びに各会員、支援者の皆さんと心を一つにし、タイ、ラオス両国政府と連帯を強化して、決定された諸方針の完全消化に向かって、運動を前進させていきたいと思います。重ねて、私たちアジア連帯委員会(CSA)に対し、変わらざるご支援ご協力をお願い申し上げます。

アジア連帯委員会(CSA)会長 大木 明石
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