会長メッセージ

2005年 - 先輩たちの努力偉大さに感謝
アジア連帯委員会(CSA) 伊藤 祐禎

2005年12月吉日


 10月上旬、皆様のご協力で、建設した17校目のターファー村の小学校の引渡しなどのために、石崎事務局長とラオスを訪問した。前回の訪問は、2004年の3月であり、関係官庁にご挨拶に伺うことにした。訪問先の労働省、保健省、教育省ともに、大臣が私たちに対応してくれた。日本の小さな一NGOに対してである。このことは、インドシナ難民救済から始まった活動の25年の集大成である。大臣が対応してくれたことが、尊いといっているわけではない。この25年にわたって、変わらない愛のカンパを続けてくださった多くの方々及び諸先輩の努力に対するラオス国民の高い評価の表れだと、支援くださっている皆様と諸先輩に感謝をささげたいからである。継続は力である。

東西冷戦後、ラオスの学校建設も今年で17校目を数えるにいたっている。ラオス全体から見るとまだ微々たる力にしかなっていないが、ラオスの山岳地方の民族を定住させ、教育をすると言うことに対しては、それなりの力を発揮していると思う。

その思いは、今回引き渡した小学校のほかの3校を訪問して、ますます強くなった。愛のカンパ、個人、団体によるカンパが、ラオス人民の発展に、確実に寄与していることを今回の訪問でも強く感じられた。

サンティーパープ高校の寮を訪問した。2回目である。前回の訪問時以降、2回の卒業生が出た。2回の卒業生の多くは、優秀な成績で、大学や専門学校に入学している。皆さん方の支援が各自に実を結んでいる。心から感謝したい。CSAとしてもこの高校寮を今後いかにしていくかが非常に大きな問題である。学校建設は、建設が終われば、決着がつくが、この寮は、生徒を扱うだけに、こちらの都合だけで、判断できない。ラオス政府にも要請しているが、この高校寮を今後どうして行くか皆様方の英知を結集して行きたいと思っている。

25周年と言う機会に、ラオス・タイでお世話になっている現地の関係者の表彰を現地で行った。CSAが、活動できるのも、その方々の協力あってこそである。感謝している。

寒さが一段と厳しくなります。ご健康に留意され、良いお年をお迎えください。
なお、会長の話が長い間中断したことをお詫びします。

アジア連帯委員会(CSA) 伊藤 祐禎
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サンティパープ高校寮生の卒業に思う
アジア連帯委員会(CSA) 伊藤 祐禎

2005年6月吉日


 この6月、皆様の多大なご支援を頂いた「サンティパープ高校寮生」が初の卒業式を迎えた。4-5年前に当時の金杉会長、打田事務局長をはじめとする理事、会員の皆様の熱心なご努力によって、ラオスの農村などに埋もれている俊英に高等教育を受けさせようと、彼らの生活の拠点となる寮を建設し、彼らの学業の支援及び生活の支援を決定し、連合愛のカンパ、会員及び一般の方々から、多額の支援を受けて事業を続けてきた。その成果が実り、今年の6月に初めての卒業生を二十数名送り出すことになった。皆様とともに喜びたいと思う。卒寮式を実施する方針でいたが、寮生の卒業時期とCSAなどの日程が調整できずに、卒寮式を実施できなかったことは残念である。

 この3年間には、家庭の事情などで、退寮せざるを得なかった高校生も数名いたようだ。その点では入寮生徒が全員卒業できなかったのは残念である。校長先生からの報告によると、卒寮生のうち数名は、大学などに進学するようである。校長先生からは、大学などの更なる高等教育へ進学する人に対しての学費の支援などを依頼されている。しかし、CSAでは、現在のサンティパープ高校寮生の支援をこれからも継続的に実施することが、使命だと思っている。その見地から、校長先生には、丁重にお断りをしている。7月中旬に石崎事務局長、連合の林国民運動局長などが、ラオスを訪問し、次の3年間の契約をする予定にしている。

 サンティパープ高校寮を訪問したときに出会った寮生の目の輝いていることに感動したことを、昨日のように覚えている。卒業した寮生が、その輝く純な瞳を今後とも持ち続け、ラオス国家と国民の発展に寄与してくれることを心から期待したい。

 このサンティパープ高校寮の事業は、ラオスの学校建設とともにCSA事業の大きな柱と位置づけている。CSAとしても会員の皆様のご支援をいただきながら、寮生の在校生たちが、快適に生活し、学業に励める環境つくりにより努力したいと思っている。今後ともご支援をよろしくお願いします。

 お詫び 会長の話が、私の筆不精で、大変遅延し、ご迷惑をおかけしたことを心からお詫びします。

アジア連帯委員会(CSA) 伊藤 祐禎
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学校の建設は、新しい地域コミュニティーの誕生
アジア連帯委員会(CSA) 伊藤 祐禎

2005年4月吉日


 最近スマトラ沖で、巨大地震が相次ぎ、多くの方々が罹災している。罹災された方々に衷心からお見舞い申し上げる。マスコミからの情報によれば、地震・津波などの災害に対する警戒感が少なくまたそれらの情報の伝達システム・伝達網もないようである。

 CSAは、ラオスに小学校の建設を続け、現在15校目を建設中である。学校建設と災害被害を減らすこととは直接関係があるわけではない。しかし、14校目の1年検査と最終費用の支払いのために、石崎昭夫事務局長と14校目のドナー組織である全郵政の責任者とで、14校目の学校を訪問した。そのときの報告によれば、学校の周りの集落が非常に大きくなっていたとのことである。学校を建設すると新しい井戸を掘り、また便所なども校舎の外に建設される。本来これらの施設は、学校の生徒たちの施設である。しかし、首都ビエンチャンから100キロ程度離れているところでも、人の集落に学校で建設した井戸などのように立派な設備は少ない。学校の設備を利用する村人が多いようである。学校中心に人が集まって、より大きな集落となるようだ。また学校ができると、道路・橋などの保全も良くなるようだ。14校が落成したときには、橋を渡るために自動車から降りなければ、安全通行が不安であった橋が、今回事務局長等が訪問したときは、きちんと補修されていた。地方である田舎に学校を建設することは、子供の基礎教育の充実ということのみでなく、その地域に立派な新しいコミュニティーの場を提供することでもある。今回の災害の被害が、このような学校建設のみで、大幅に減少するとは思えないが、地域の住民の人たちが、集まる場所があるということは、情報の伝達、災害対策に力を発揮するのではないかと思う。

 私自身は、地方に建設された2-3の学校しか訪問していないが、今までの報告書、事務局長の訪問報告を聞くに連れ、その感が深まっている。ラオスの教育省の大臣によるとまだ数百の学校がまだ必要と言う。学校を建設するということは、国を発展させるためにもっとも大切な子供の基礎教育の充実のほかに、田舎といってよい地域に、地域の核となる施設を作っていることになる。CSAのような小さな組織が、ラオスを訪問したときは、必ず、教育相などの大臣が、われわれと会ってくれる。CSAの貢献に対する彼らの評価の現われだと思っている。これからも皆様の協力を得て学校建設は、CSA事業の柱として育てたいと思っている。

アジア連帯委員会(CSA) 伊藤 祐禎
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アンケート結果に思う
アジア連帯委員会(CSA) 伊藤 祐禎

2005年3月吉日


 1月末から2月末にかけて、CSAの将来に関するアンケートを実施した。アンケートに協力をして頂いた方々に感謝したい。「CSAの前身が結成されてより20数年の年月が経過した。CSAの前身は、ヴェトナム戦争終結によって生じたインドシナ難民を支援する目的であった。ベルリンの壁崩壊とともに、その任務の主目的は、終了した。その後は、タイ、ラオスなどの難民キャンプに対する中古衣料などの支援及び国連開発機構(UNDP)などの要請により、ラオス国境などに小学校を建設することを始めたそれからも10年ほど経過する」「現在は、UNDPと直接的な関係は、なくなり、CSA独自で、加盟団体の支援、仲間のカンパで、ラオスで学校を15校建設している」「しかし、最近になって、仲間からもCSAの健全な脱皮を要望する声が増えてきた」その要望に応えそしてCSAの事務局として検討中のCSAの今後のあり方を肉付け・補強するために皆さんの声をその具体策に反映させることを目的にアンケートを実施した。アンケートの対象は、理事の56名とした。回答は、34名の方から戴いた。

 アンケートの内容についての詳細なる検討は、これからであるが、私の感じた一部を述べる。

  • 組織関係

     連合との関係は、「現状維持及び強化する」を含めると90%以上の会員が,連合との関係の重要性を認識している。その中で「連合とCSAの役割分担を明確すること、連合内部で、CSAの位置づけをさらに明確にし、CSAを活用して欲しい」との意見がある。CSA事務局としても同様な意見であり、会員仲間から後押しに感謝している。
     現在、個人会員は、ふきの会を通じて加盟していただき、中古衣料、カンパなどに大変貢献して戴いている。会員の意見は、今後も団体加盟を中心としながらも個人で、直接加盟できる道も必要と感じているようである。事務局としては、出来る限り、多くの個人会員の加盟を歓迎したいと思っている。加盟の形態は、ふきの会及びそれモドキの支援団体を通じて加盟していただけると幸いであると思っている。もちろん直接的な加盟の道も検討したいと思っている。

  • 財政問題

     連合のカンパ金については、連合の組織現状などを考慮し、現在以上のカンパを求める困難性を指摘されている。今後は事務局の積極的な、会員獲得活動、事業内容の充実の中から、必要であれば、皆様の協力を仰ぐことになると思うが、現状では、現在与えられた財政規模の中で、事務局として最大の努力をすることの重要性が指摘されたと理解し、これからも会員皆様の期待沿うような活動をしたい。

  • 今後の事業内容と活動地域について
    1. 活動内容については、現在のラオスの学校建設、ラオス・タイへの中古衣料の送付が中心であるが、その業務の継続はすべきとの意見だと思う。その上に立って、CSAの身体に見合った、教育関係などの業務を手がけるべきだとの意見が大勢だと思う。
    2. 活動地域に付いては、ラオス・タイ及びラオス・タイを中心とするインドシナ半島に限るべきだという意見が、70%弱である。CSAの現在の力関係から言っても、ラオス・タイを中心として活動し、要請に応じて、インドシナ及び東南アジア地域の仕事をすべきだと思っている。今回は、字数の関係もあり、一旦筆を閉じる。
      このアンケートに協力していただいた皆さんに心から感謝する。

アジア連帯委員会(CSA) 伊藤 祐禎
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国際支援のあり方に思う
アジア連帯委員会(CSA) 伊藤 祐禎

2005年2月吉日


 日本政府の国際支援(ODA)についても、多くの意見がある。日本の経済支援は、箱物(ハード)が中心で、技術支援、職業訓練、マネージメント、人材開発、自然環境保護などの支援が少ないという。確かにハードは立派に完成してもそれを活用していく能力が、受入国にないことが少なくない。しかし、経済支援で最も大切なことは、受入国のニーズである。いくら支援側が頭に描いたことを支援しても、受入国のニーズに会わなければ、結果として、その支援が死んでしまうことにもなる。例えば、発展途上国の経済を成長促すには、エネルギー政策が重要である。そのために水力発電所を建設するためには、河川などにダムを作る必要がある。ダムの建設は、自然環境を大きく変化させる。そのために自然保護か、開発促進かで、問題になっている国も多い。これらの調和を如何にするかが最も大きな課題である。日本は、狭い国土で、非常に速いスピードで、世界第2位の経済大国になった国である。それだけに環境問題で、自然からも大きなしっぺ返しも受けた国である。その経験を発展途上国の開発に役立てるべきであり、その意味では、十分でないにしても貢献していると思う。私は、ヨーロッパの庭といわれているアフリカに行く機会が多かった。アフリカは、経済的にはいまだ寝ている国がほとんどである。それに比べると、東南アジアの国々では、金融危機が発生するほどに経済は成長した。もちろんこの発展は、その国の人々の努力によるが、日本の経済支援も大きく貢献したのではないか。

 最近CSAの事業についても多くの意見がある。その中で最も気になるのが、「いつまで、同じような支援を続けるのか、もっと自分たちの手で自立する努力をすべきだ」と言う声である。この声は、正論である。例えば、ラオスの小学校建設を例に取ると、CSAは、ここ10年近くの間に14校の学校を建設した。CSAにかかわっているドナーたちから見ると、いつまでも同じことをしなければならないのかと思う。しかしラオスでは、まだ数百の学校が不足していると言う。サンティパープ高校生の育英事業である。開始して3年、ようやく皆様のお陰で、今年卒業生が出る。CSAの実力から、この高校生の育英事業は、過大かもしれない。しかしはじめた以上は、相当長期間にわたって事業を続ける義務があると思う。声として、この事業を現地にやらせろという声が多い。ラオスの実力として、遠隔地の優秀な生徒を招聘するような力はないと思う。過剰な支援はする必要はないにしても、やり始めた以上長年月継続する覚悟で努力する必要がある。もちろん現地の関係者と今後のあり方について十分な話し合いは必要である。国際支援は、対応する実力の少ない国に実施するだけに、実施する以前に十分な検討をすることが必要である。ハードはその点一発主義で済むが、人材育成と言うようなソフトは、長期間対応する覚悟が必要と思う。ラオスに於ける教育事業は、ラオス政府から非常に高い評価を得ている。皆様の支援のお陰と感謝している。

アジア連帯委員会(CSA) 伊藤 祐禎
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新たな決意で、新年を!!
アジア連帯委員会(CSA) 伊藤 祐禎

2005年1月1日


 新年明けましておめでとうございます。ご家族ご一緒に明るい元旦をお迎えになったことと存じます。私たちは、会員皆様方と、連合および全郵政などの支援を受け、昨年は、ラオスにおいて、14校目となる小学校1校の建設と、中古衣料120トンをタイおよびラオスに送付することができました。現地の関係各位から深甚なる感謝の念を受け取っています。これも皆様方の暖かいご支援のおかげと心から感謝を申し上げます。今年度の新しい展開として、昨年の9月の総会で決定した、ラオスにおける15校目の学校建設と小学校などの教科書3万冊の贈与の契約を昨12月8日および9日にラオスのビエンチャンの労働省・教育省の責任者との間で交わしました。また、サンティパープ高校の寮生に対する支援および学校建設の募金活動も、皆様方のご支援により着実に前進しつつあります。感謝しています。もう一層のご支援をお願いします。今年は、9月総会の私の挨拶を土台として、CSAを飛躍させるための礎を気づきたいと思っています。そのために、CSAの今後のあり方を企画立案し、その実現に力を入れます。

 一つは、会員各位との連携を深め、新たな会員の獲得および新たな事業展開のアイディアの募集などを実施します。二つには、ラオスを中心とする児童の教育の充実にさらに貢献していきます。三つ目は、連合および国際労働財団などで実施している国際交流活動についてお手伝いできる事業を積極的に取り込みます。四つ目には、活動範囲をラオス・タイ中心から、インドシナ半島諸国に拡大します。これらの事業展開には、財政力が必要です。会員拡大、会費の増額、寄付金の拡大などの自助努力を会員皆様のご支援を頂きながら努力することはもちろんのこと、連合の一層の支援をお願いしていきます。

 新年にあたり、石崎昭夫事務局長と二人三脚で頑張ることをお誓いします。これからも暖かいご支援をお願いします。
 今年が皆様にとって良いお年であることを記念します。

アジア連帯委員会(CSA) 伊藤 祐禎
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