会長メッセージ

2020年 - 会長挨拶
アジア連帯委員会(CSA)会長 澤田 和男

2020年10月1日


CSAの活動は、連合、会員組織および個人会員の皆様からの物心両面の支えによって継続されています。今年度は結成40周年を迎えることになりました。今日までの長きにわたるご支援ご協力に心から感謝申しあげますとともに、引き続き宜しくお願い申しあげます。

さて、昨年末に中国武漢で発生した新型コロナウイルスは、急速に感染を拡大し本年4月には世界的パンデミックに至り、多くの国で外出禁止、海外渡航禁止の処置がとられました。日本においても4月に緊急事態宣言が出され、外出自粛措置が5月後半まで続きました。そして、この間一時的に収まった感染状況でしたが、その後、PCR検査数の拡大も相まって感染者数が増加した状況で推移しています。また、これから冬にかけて感染拡大が予想されるなど先の見えない状況が続いています。そして、未だに海外渡航は規制され中古衣料の送付も難しい状況が続いています。

CSAも、昨年9月開催の第39回総会で決定した活動内容を4月以降大幅に見直さざるを得ない状況となり、支援組織の皆様と相談しながら対応してきました。

CSAとして重点的に取り組んでいる「救援衣類を送る運動」「ラオス初等教育の改善」「ラオス高等教育の改善」についての経過と今後の方針について以下に触れます。

1.救援衣料を送る運動

1981年から取り組んでいるこの運動では、毎年集約された善意の救援衣料を、タイ・ラオスの必要とする人々に配布しています。

2019年度に集約した段ボール8,214箱(40ftコンテナ13本)の救援衣料は、無事タイ・ラオスに送ることができ両国の関係者から感謝されました。課題は、輸送費が2年連続で予算を大きくオーバーしたことです。2019年度は、前年度の反省を生かし、事前にできる対策をすべて実行することによって輸送費の削減を図りましたが、予算内に収めることはできませんでした。今後については、輸送募金とのバランスを図ることや、輸送ルートの改善などによって出費削減を目指していきます。

また、今年集約する予定であった救援衣料については、新型コロナウイルスの感染状況を踏まえ、来年の同時期に集約する方向で検討を進めていきます。

2.ラオス初等教育の改善(小学校建設・補修活動)

1995年の第1校目建設からこれまでに小・中学校24校を建設し寄贈してきました。また、古くなった校舎を父兄の労務提供も求めながら計画的に補修しています。

2019年度は、要請があった2つの小学校で、井戸の新設工事や外装塗装工事を実施しました。今後も必要な補修を行う一方、新たな校舎建設・寄贈に向けた検討に着手していきます。

3.ラオス高等教育の改善(サンティパープ高校生寮支援)

貧困などの事情によって進学が困難な生徒のために、寮を建設し生活と学業を支援することにより高等教育への道を拓くため、2002年の寮建設・寄贈から今日まで寮への支援を継続しています。現在の寮生は90名、これまでの卒業生は480名に達し、総じて優秀な成績で日本への留学も果たすなど国を支えるリーダーとして成長しています。

2019年度も、従来通り寮生の支援とともに卒業生・成績優秀者の表彰を行いました。また、現地からの要請を受け、マスクや体温計を寮に送り届けました。

今後もこの支援を続けるとともに、ラオス政府や学校関係者に対しては自主運営の実現を求めていきます。


このように私たちの活動は、そこに住み、そこで学んでいる人達にとっては無くてはならないものとなっています。より多くの皆さんに、この活動の内容を知っていただき、ご協力をいただけるよう努力していきますので、従来に増したご支援をよろしくお願いします。

アジア連帯委員会(CSA)会長 澤田 和男